WEPH024  加速器土木  7月31日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 13:30-15:30
J-PARCハドロン実験施設における重イオンビーム輸送時の放射線量評価の検討
Preliminary study of radiation from heavy-ion beams at J-PARC Hadron Experimental Facility
 
○佐甲 博之(日本原子力研究開発機構),青木 和也(高エネルギー加速器研究機構)
○Hiroyuki Sako (JAEA), Kazuya Aoki (KEK)
 
J-PARCの将来計画として重イオン加速計画(J-PARC-HI)が検討されている。この計画は、核子当たり10GeVに加速した重イオンビームを重原子核標的に衝突させ、核密度の5-10倍の高密度物質を生成し、中性子星コア物質の研究、強い相互作用における相構造の研究、宇宙における重原子核の生成機構の研究等を目的とする。 本計画は、リニアック、ブースターリングから構成される重イオン入射器を新設し、既存の3GeVシンクロトロン(RCS)に入射し、 RCSと既存の主リングシンクロトロン(MR)において加速し、核子当たり10GeV、ビームレート~10^11 Hzの大強度ビームを加速するものである。 重イオンビームはMRにおいて遅い取り出しの後、ハドロン実験施設のHigh-Pビームラインで輸送し、現状のハドロン実験施設、または将来の拡張されたハドロン実験施設において重イオン衝突実験を行うことを検討している。 本発表では、MARSシミュレーションコードを使用して、10^8 / spillの陽子ビーム輸送時の放射線量計算と、重イオンビーム輸送時の放射線量計算との比較を行う。さらに高強度の重イオンビームに対応するための放射線遮蔽を検討し、現ハドロン実験施設において運転可能な重イオンビーム強度の上限値を評価する。 また、High-Pビームラインにおける重イオンビーム輸送の性能についても検討する。