WEPH017  加速器応用・産業利用  7月31日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 13:30-15:30
cERL電子線照射部における標的冷却システムの開発
Development of target cooling system in cERL electron beam irradiation section
 
○森川 祐,山本 将博,保住 弥紹,原田 健太郎,井上 均,松村 宏,濁川 和幸,野上 隆史,多田野 幹人,豊田 晃弘,内山 隆司(高エネルギー加速器研究機構)
○Yu Morikawa, Masahiro Yamamoto, Mitsugu Hosumi, Kentaro Harada, Hitoshi Inoue, Hiroshi Matsumura, Kazuyuki Nigorikawa, Takashi Nogami, Mikito Tadano, Akihiro Toyoda, Takashi Uchiyama (KEK)
 
cERLでは加速器の産業利用を目指した電子線照射ラインが建設され、2019年6月よりRI製造やアスファルト改質試験を予定している。本ビームラインでは最大エネルギー17.6MeV、最大電流10µAの電子ビームが照射可能であるが、被照射試料(標的)側ではビーム入射により生じる熱を除去する必要がある。また「RI製造を行うため標的は密閉構造中に置く」などの構造的条件もある。 そこで密閉構造を維持した標的冷却方法として、間接冷却するシステムを開発した。開発においては冷却システムの性能実証のため、電子ビーム溶接機を熱源として利用した模型試験も行った。アルミ合金の軟化温度200℃をカプセルの運用限界とすると、模型試験の結果から1kW程度の入熱でも運転可能であることが確認された。また、本冷却システムはカプセル封入できれば形状や標的の状態は問わず利用可能であり、多様な照射実験に応用できる。今回は本冷却システムの熱設計や模型試験、運用状況について報告する。