WEOI06  ビーム診断・ビーム制御②  7月31日 国際科学イノベーション棟5階 ホール 17:30-17:50
J-PARCハドロンHigh-pビームライン分岐部におけるビームロスの評価
Evaluation of beam loss at a branching point of the J-PARC Hadron High-P beamline
 
○小松 雄哉,青木 和也,上利 恵三,秋山 裕信,新垣 良次,家入 正治,加藤 洋二,木村 琢郎,倉崎 るり,村杉 茂,里 嘉典,澤田 真也,高橋 仁,田中 万博,豊田 晃久,冨澤 正人,広瀬 恵理奈,皆川 道文,森野 雄平,武藤 亮太郎,岡村 勝也,小沢 恭一郎,山野井 豊,柳岡 栄一,渡邉 丈晃(高エネルギー加速器研究機構)
○Yusuke Komatsu, Kazuya Aoki, Keizo Agari, Hironobu Akiyama, Yoshitsugu Arakaki, Masaharu Ieiri, Yohji Katoh, Takuro Kimura, Ruri Kurasaki, Shigeru Murasugi, Yoshinori Sato, Shinya Sawada, Hitoshi Takahashi, Kazuhiro Tanaka, Akihisa Toyoda, Masahito Tomizawa, Erina Hirose, Michifumi Minakawa, Yuhei Morino, Ryotaro Muto, Katsuya Okamura, Kyoichiro Ozawa, Yutaka Yamanoi, Eiichi Yanaoka, Hiroaki Watanabe (High Energy Accelerator Research Organization)
 
J-PARCハドロン High-pビームラインでは~10^13/sの大強度一次陽子ビームの0.1%を分岐し、輸送する。本ビームラインは現在建設中であり、2020年の稼働を目指している。 一次陽子ビームの分岐にはLambertson電磁石と呼ばれる磁石が用いられる。 この磁石は磁場のある領域と無い領域を磁極によって仕切り、ビームの垂直方向の端のみを磁場のある領域に通すことで 一部を曲げて分岐させる。このとき、ビームが磁場の境界の磁極に当たりロスが生じることは避けられず、安全の見地からロス量にはビーム停止の閾値が 設けられる。従って、本格的な運転開始の前にロス量を測定し、どの程度か知っておく必要がある。 また、一次ビームの垂直方向3σ以降の領域を磁場のある領域に通して使用するため、ビームの位置と幅の安定性が High-pビームラインで輸送されるビーム量とLambertson電磁石でのロス量に非常に大きく影響する。 2019年2月から4月に実施されたJ-PARCのビームタイムで、Lambertson電磁石近傍に検出器を設置しビームロスを測定した。 具体的には、空気を封入した比例計数管、Arを封入した感度の高い(空気に比べて最大数万倍)比例計数管、 3個のシンチレータのコインシデンスによるカウンターを設置し、ロスによる二次粒子のビーム位置と幅依存性を測定した。 本講演では測定結果を報告し、安定したビーム供給を見据えた展望について述べる。