WEOHP01  合同セッション  7月31日 百周年時計台記念館 百周年記念ホール 10:20-10:50
小規模加速器施設は持続可能か:京都大学エネルギー理工学研究所の例
How can a small-scale accelerator facility survive? Case study of the Institute of Advanced Energy, Kyoto University
 
○大垣 英明(京大エネ研)
○Hideaki Ohgaki (Kyoto University)
 
京都大学エネルギー理工学研究所では、1995年から自由電子レーザー研究を開始し、40 MeVリニアックの建設と中赤外域自由電子レーザーの発振、更には現在では全国共同利用・共同研究拠点活動の一装置として、電子ビーム及びFELのユーザーへの提供を行っている。また、最近では小型THz放射装置の開発も行っている。これらの活動は研究所の2研究室にて、比較的小規模の予算を毎年積み上げる形でハードウェアの整備を行ってきており、リニアック建設には4年、FEL発振までには凡そ10年の歳月を要した。この間、主に4.5セル熱陰極型高周波電子銃の性能向上が主な研究であった。また、レーザーコンプトン散乱ガンマ線の開発・利用や、慣性静電閉じ込め核融合装置の開発を行っており、量研(当時原子力機構)やポニー工業と研究開発チームを形成し、ガンマ線と中性子のハイブリッド型の核物質検知装置の開発を海上コンテナ向けに行った。  本会では、小規模グループによるこのような加速器の建設・開発に関して簡単に紹介し、今後の維持・発展についての展望や問題点を述べる。