THPI029 ビーム診断・ビーム制御 8月1日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30 |
SPring-8におけるフィリング・パターンの影響を軽減する光位置モニタ |
X-ray beam position monitor to mitigate influence of filling pattern at SPring-8 |
○青柳 秀樹,高橋 直(高輝度光科学研究センター) |
○Hideki Aoyagi, Sunao Takahashi (JASRI) |
SPring-8の挿入光源ビームライン用光位置モニタ(X-ray Beam Position Monitor, XBPM)は、タングステン(一部はダイヤモンド)を母材とするブレード型検出素子を光電陰極として用いる光電子放出型である。SPring-8では、時分割実験を行うためにセベラルバンチ・モードを日常的に運用している。ユーザーのニーズに合わせるために、1バンチあたりの蓄積電流値、放射光に言い換えればピーク輝度を増加させてきた。この恩恵は、8GeV低エミッタンス・リング(不安定性の問題の克服)と真空封止アンジュレータ(短波長・高輝度光源)の組み合わせによってもたらされた。一方で、XBPMのブレード型検出素子からのピーク電流値は、当初の予想をはるかに上回るものとなった。その結果、蓄積リングのフィリング・パターンを変更した時にXBPMの出力値が変化する現象が顕在化した。調査の結果、原因は空間電荷効果による電流信号の飽和であることが判明した。そこで、XBPMの基本構造を見直すことによってフィリング・パターンの影響を軽減することのできる光位置モニタを設計・製作を実施した。 |