THPI020 電子加速器 8月1日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30 |
ILC電子駆動陽電子源キャプチャーライナックにおけるビームローディング抑制 |
Beam Loading Compensation in the Capture Linac of ILC E-Driven Positron Source |
○栗木 雅夫,名越 久泰,高橋 徹(広島大学院先端研),根岸 健太郎(岩手大学),奥木 敏行(KEK加速器),大森 恒彦(KEK素核研),佐藤 政則,清宮 裕史(KEK加速器),浦川 順治(KEK研究支援),横谷 馨(KEK加速器),住友 洋介(日本大学) |
○Masao Kuriki, Hisayasu Nagoshi, Tohru Takahashi (AdSM, Hiroshima U. ), Kentaroh Negishi (Iwate U. ), Toshiyuki Okugi (KEK, Accl. Lab.), Tsunehiko Omori (KEK, IPNS), Masanori Satoh, Yuji Seimiya (KEK, Acc. Lab.), Junji Urakawa (KEK, URA), Kaoru Yokoya (KEK, Acc. Lab.), Yosuke Sumitomo (Nihon U. ) |
ILCは250 GeV - 1.0 TeVまでの重心系エネルギーをカバーする次世代電子・陽電子リニアコライダーである。加速には1.3GHzの超伝導加速器を用い、低電力による効率的なマシンである。一つのパルスには1300あるいは2600バンチの電子および陽電子が含まれ、生成標的破壊が危惧されるため、生成部では20パルスで取り扱う。この場合、パルス繰り返しが速くなるため、常伝導加速器を用いる。一パルスあたり70あるいは130バンチ程度のマルチバンチ加速が必要であり、ビームローディング補正は必須である。キャプチャー部には定在波加速管を使用する。一般には定在波加速管では加速のタイミングを調整することでビームローディングを抑制できるが、減速キャプチャーという手法がとられるために、陽電子は減速位相から加速位相へと徐々に移動する。そのため、RFによる加速場とビームローディングによる減速場の単純なスカラー的な打ち消しが起きずに、位相および振幅がパルス内で変動してしまう。そこで加速管に離調角を導入する。RFおよびビームが同じ位相に乗っている場合、各々が発生するRFによる加速場、ビームによる減速場は正確に逆位相となるため、ビームローディング抑制は有効となる。発生する加速場の位相は離調角だけずれているので、ビームが感じる加速位相は離調角に等しくなる。すなわち、離調角の導入により、ビームローディング抑制と任意の位相による加速の両立が可能となる。 |