THPH029 電磁石と電源 8月1日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 13:30-15:30 |
分離セクター型サイクロトロンのための高温超伝導電磁石開発 |
Development of HTS magnets for separated sector cyclotrons |
○鎌倉 恵太,福田 光宏,畑中 吉治,依田 哲彦,神田 浩樹,中尾 正夫,安田 裕介,原 周平,Koay Hui Wen,武田 圭次郎,原 隆文,大本 恭平(阪大RCNP) |
○Keita Kamakura, Mitsuhiro Fukuda, Kichiji Hatanaka, Tetsuhiko Yorita, Hiroki Kanda, Masao Nakao, Yuusuke Yasuda, Shuhei Hara, Hui Wen Koay, Keijiro Takeda, Takafumi Hara, Kyohei Omoto (RCNP, Osaka Univ.) |
高エネルギー・高強度な加速器の利用は、学術研究のみならず医療や産業での拡大しており、それに伴って高い信頼性と省電力化が求められている。本研究ではサイクロトロンの利点である高いエネルギー効率に着目し、少ない運転電力で安定したハイパワーのビーム出力を可能にする高温超伝導サイクロトロンの開発を目指している。現在までに直径数~数十cm程度の小型高温超伝導コイルは限られた用途で実用化されているものの、サイクロトロン電磁石として必要とされる数mを超える大型の高温超伝導電磁石は存在していない。そのため、まず1 mサイズの高温超伝導電磁石を試作し、その性能評価を行った。プロトタイプ電磁石の励磁に伴うコイルの温度変化を測定し、熱構造解析に用いるパラメータを決定した。また高温超伝導線材特有の磁束クリープによる磁場のドリフトを迅速に収束させる励磁方法を見出し、短時間で磁場を安定化する手法を確立した。次に分離セクター型サイクロトロン電磁石を設計し、高温超伝導メインコイルと補正コイルを用いて形成した等時性磁場により高強度ビームの加速と取り出しが可能であることを粒子軌道解析で立証した。さらにセクター電磁石のメインコイルアセンブリにプロトタイプ電磁石と同様の支持構造を適用しても実用に耐えうる熱特性と磁場性能が十分に実現可能であることを熱構造解析で示し、高温超伝導サイクロトロン電磁石の実用化の見通しを得た。 |