THPH013 真空 8月1日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 13:30-15:30 |
NEGコーティングしたAg入り無酸素銅真空ダクトの開発 |
Development of oxygen-free copper containing silver vacuum tube with NEG coating |
○金 秀光,山本 将博,谷本 育律,内山 隆司,野上 隆史,本田 徹(高エネ研) |
○Xiuguang Jin, Masahiro Yamamoto, Yasunori Tanimoto, Takashi Uchiyama, Takashi Nogami, Tohru Honda (KEK) |
近年の光源加速器では小径ビームチューブが要求されるため、超高真空の実現に不可欠な低いガス放出特性と高い実効排気速度を同時に満たす手段としてNEGコーティング技術が注目されている。NEGコーティングは、非蒸発ゲッター(NEG)材をチューブの内壁に成膜することでガス源である内壁をポンプに変える技術で、NEG材には180℃の低温で再活性化できるTi-Zr-V材料系が広く使われる。前の研究で、我々はNEGコーティング装置を開発し、CERNで報告されている排気性能に匹敵するNEGコーティング膜の生成に成功した。 ビームチューブが小径になると、インピーダンスが大きくなり、パワーロスも大きくなる問題がある。そのため、抵抗率の小さい材質のチューブが必要される。また、NEGコーティングを行い、再活性化することから、180℃以上の軟化温度も不可欠だ。本研究では、CERNやMAX IVで実績のあるAg入り無酸素銅に注目した。Agの質量パーセントは0.027~0.034%で、軟化温度は350℃と高い。また、抵抗率は1.75×10-8mで、無酸素銅と同程度である。本研究では、作製した内径23mmのAg入り無酸素銅を用いて、NEGコーティングを行う予定である。NEG膜の構造特性はX線回折、SEM、AFMで行い、排気性能評価には通過法を用いる。また、グロー放電発光分析法を用いて、ナノメートルの分解能で、NEG膜での酸素、カーボンの濃度分布を調べ、それらと排気性能への相関を解明する予定である。 |