THOHP01  学会賞受賞講演  8月1日 百周年時計台記念館 百周年記念ホール 19:00-19:20
誘電体アシスト型高周波加速空洞の研究開発
Study of dielectric assist accelerating structure
 
○佐藤 大輔(産業技術総合研究所)
○Daisuke Satoh (AIST)
 
誘電体アシスト型高周波加速空洞(Dielectric Assist Accelerating Structure, DAA)は、金属筐体内に誘電体同軸構造と誘電体円盤からなる誘電体セルを周期的に装荷した誘電体加速管の一種である。DAAは加速モードとして、この新しい空洞の高次モード(TM_02n mode)を加速に利用することで、既存の常伝導加速空洞と比較して空洞壁損失を大幅に低減化することが可能である。また、空洞内部に装荷する誘電体構造には低損失誘電体材料を用いることで、DAA空洞内での空洞壁損失と誘電損失の総和でも、既存の常伝導加速空洞の空洞壁損失と比較して大幅に低減化できるということが明らかになってきた。本研究では、DAA空洞の動作原理の考案から、原理実証機の設計・開発、低電力試験、高電界試験までを一貫して実施した。原理実証機は、マグネシアセラミックを用いた5セルC-band DAA空洞を設計・製作し、最終的には室温で10万を超える高い無負荷Q値を実現した。本発表では、これまで行ってきた誘電体アシスト型高周波加速空洞の研究開発と今後の展望について講演する。