THOH12  ハドロン加速器①  8月1日 百周年時計台記念館 百周年記念ホール 16:40-17:00
多重極電磁石を用いたビーム強度分布中空化の実証
Demonstration of hollow beam formation using multipole magnets
 
○百合 庸介(量研高崎研),福田 光宏(大阪大学核物理研究センター),湯山 貴裕(量研高崎研)
○Yosuke Yuri (QST/Takasaki), Mitsuhiro Fukuda (RCNP, Osaka Univ.), Takahiro Yuyama (QST/Takasaki)
 
ビーム輸送系において、主として8極電磁石を用いて荷電粒子ビームの横方向強度分布を均一化できることが知られている。これを一般化して考えると、多重極電磁石を用いた適切な非線形集束により、4極電磁石等の線形力のみでは成し得ない、多様なビーム強度分布を形成できる可能性がある。このような観点で我々は非線形集束によるビーム強度分布変換の研究を進め、様々な断面形状でビームを中空化できることを実証した。形成される中空ビームは、軸中心付近の強度に比べて10数倍の高く鋭いピークを端部に持ち、用いる多重極磁場の次数や強度に応じて断面形状を変えられることが分かった。本発表では、非線形集束されたビームの運動に関する理論解析とともに、量研高崎研のイオン照射研究施設TIARAで実施した上記の実証実験及びシミュレーションの結果を報告する。また、このような特異な強度分布を持つビームの用途についても述べる。