THOH09 ハドロン加速器① 8月1日 百周年時計台記念館 百周年記念ホール 15:40-16:00 |
J-PARC Main Ring 大強度運転時における磁場リップルの影響 |
Effects of rippling magnetic field on the high power operation of the J-PARC Main Ring |
○栗本 佳典(高エネ研) |
○Yoshinori Kurimoto (KEK) |
陽子シンクロトロンJ-PARC Main Ring (MR) の速い取り出し運転における現行最大ビ ーム強度は500 kWであり、バンチ内陽子数は3.2×1013に相当する。今後、J-PARC MRでは電磁石電源を更新し、取り出し周期を縮めることで700 kW超目指すが、その後、バンチ内陽子数も増やし1.3 MWを達成することを目標にしている。そのため、ビーム損失を想定量(コリメータ-の容量)以下にとどめることは必須であり、その原因の詳細な理解が重要である。電磁石電源のリップルが遅い取り出し時のビーム平坦度の悪化に寄与していることは実験的にも示されているが、陽子数がより多い速い取り出し時のビーム損失への寄与を見積ることも有用である。 そこで、GPUでの並列計算に対応できる空間電荷効果を含んだビームダイナミクスシミュレーションコードを新たに開発し、実際に測定された電磁石電源のリップルをそれに含むことで、よりビーム損失の大きい入射エネルギー(3 GeV)のエミッタンス増大を見積もった。また、よりリップルの低い新電源(2021年導入予定)の試験データを用いた電源の更新による性能変化、および、現在ビーム試験を進めているリアルタイム光学補正システムによる改善の程度についても見積もる。本講演では、それらの検討結果および開発したGPUコードの詳細を紹介する。 |