THOH07 電磁石と電源② 8月1日 百周年時計台記念館 百周年記念ホール 11:50-12:10 |
g-2/EDM精密計測用ミューオン蓄積超電導磁石の磁場調整方針 |
Magnetic field shimming strategy of muon storage magnet for g-2/EDM precision measurement |
○阿部 充志,荻津 透,齊藤 直人,中山 久義(高エネ研),飯沼 裕美(茨城大),村田 幸弘,古閑 康則(日立製作所) |
○Mitsushi Abe, Toru Ogitsu, Naohito Saito, Hisayoshi Nakayama (KEK), Hiromi Iinuma (Ibaraki Univ.), Yukihiro Murata, Yasunori Koga (Hitachi, Ltd.) |
ミューオンの磁気・電気モーメント高精度測定に用いる磁石には、ミューオンを周回・蓄積するシリンダー状の領域(断面3 cm幅、10 cm高で直径66.6 cm)に、高磁場(3.0 T)で超高均一磁場(磁場振幅±0.1 ppm、均一度0.2 ppm)を必要とする。全身診断用MRI磁石に比べ約一桁良い均一度である。この実現のためにシミング(磁場調整)の方針を、磁石設計、受動的シミング(鉄片利用)、能動シミング(シムコイル群)、残差磁場、の観点から検討している。 磁石設計では0.13 ppmの実力をもつ起磁力配置とした。製作・設置後に予想される誤差磁場に対しては、主に2段階(粗、詳細)に分けた受動的シミングを利用する。粗シミングでは、多くの鉄量を使って、おおまかな調整を行い、詳細シミングでは少量の鉄片で微細な調整を行う。前者では磁石の励消磁を行うが、後者は励消磁なしで行う予定である。これで目標とする均一度は実現出来ると予想するが、実験開始後でも室温変化などに起因する誤差磁場などを能動的に補正するために、2種類のシムコイル(軸に平行な方向と軸に垂直な方向の補正磁場を発生)も用意する。 |