THOH03 電磁石と電源① 8月1日 百周年時計台記念館 百周年記念ホール 10:10-10:30 |
LHC高輝度アップグレード用超伝導磁石の開発(6) - 2mモデル磁石開発から実機磁石製造へ - |
Development of superconducting magnets for LHC luminosity upgrade (6) – Development of 2 m model magnets to construction of series production magnets – |
○菅野 未知央,中本 建志,鈴木 研人,有本 靖,飯田 真久,池田 博,池本 由希子,植木 竜一,大畠 洋克,大内 徳人,岡田 尚起,岡田 竜太郎,荻津 透,川又 弘史,木村 誠宏,佐々木 憲一,高橋 直人,田中 賢一,寺島 明男,東 憲男(高エネルギー加速器研究機構),Musso Andrea,Todesco Ezio(CERN) |
○Michinaka Sugano, Tatsushi Nakamoto, Kento Suzuki, Yasushi Arimoto, Masahisa Iida, Hiroshi Ikeda, Yukiko Ikemoto, Ryuichi Ueki, Hirokatsu Ohata, Norihito Ouchi, Naoki Okada, Ryutaro Okada, Toru Ogitsu, Hiroshi Kawamata, Nobuhiro Kimura, Kenichi Sasaki, Naoto Takahashi, Kenichi Takana, Akio Terashima, Norio Higashi (KEK), Andrea Musso, Ezio Todesco (CERN) |
CERN-LHC加速器では、積分ルミノシティを現行LHCの10倍以上である3000 fb-1まで向上させることを目指した高輝度アップグレード計画(HL-LHC)が進行中である。目標実現には衝突点近傍の磁石システムの性能向上が不可欠であり、KEKはこの中でビーム分離超伝導双極磁石(D1磁石)の開発を担当している。D1磁石の重要な要求性能は以下の通りである。(1) 大コイル口径:150 mm、(2) 磁場長:35 T·m(主双極磁場5.6 T, 温度1.9 K, 運転電流12 kA)、(3) 耐放射線性:想定吸収線量25 MGy、(4) 除熱性能:磁石全体入熱135 W, コイルへのピーク入熱2 mW/cm3。技術的課題として、大口径に起因する組み立て、冷却、励磁過程での大きなコイル寸法変化の精密予測、顕著な鉄ヨークの飽和を考慮した磁場設計、耐放射線性などが挙げられる。 KEKは2011年にD1磁石の設計研究を開始し、その後、設計や組み立て工程の妥当性検証を目的とした2 mモデル磁石の製作および磁石試験をKEK所内で繰り返し行ってきた。2018年にKEKがHL-LHC計画に正式参加することが決定されたことを受け、日本の貢献として7 m長のプロトタイプ磁石1台と実機磁石6台を製造することが決まった。 当日の講演では、モデル磁石開発状況の概要と実機磁石製造に向けた取り組みについて説明する。 |