IPPH001  萌芽的加速器技術の提案  7月31日・8月1日・2日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 12:20-12:22(WE_SO)13:30-15:30(WE/TH)10:50-12:50(FR)
レーザープラズマ航跡場入射用極短パルス線型加速器の基本設計
Fundamental design of a LINAC to inject ultra-short pulse electron beams into laser plasma wake fields
 
○大竹 雄次,増田 剛正,益田 伸一(高輝度光科学研究センター),田中 俊成,境 武志(日本大学),小柴 裕也,大塚 誠也(早稲田大学),坂上 和之(東京大学),熊谷 教孝(高輝度光科学研究センター)
○Yuji Otake, Takemasa Masuda, Shinichi Masuda (Japan Synchrotron Radiation Research Institute), Toshinari Tanaka, Takeshi Sakai (Nihon University), Yuya Koshiba, Seiya Otsuka (Waseda University), Kazuyuki Sakaue (The University of Tokyo), Noritaka Kumagai (Japan Synchrotron Radiation Research Institute)
 
科学技術振興機構の未来創造プロジェクトでは、レーザープラズマ航跡場を使用した電子加速の実用化を目指し研究している。このプロジェクトの1つは高輝度光科学研究センターが研究実施機関である。そこでは百um径以下で数十fsの電子を生成し、それを加速するレーザー航跡場を発生するキャピラリーに大強度・短パルスレーザーと同時入射する線型加速器の研究開発を実施している。我々は、線型加速器からこのプラズマ中に入射された電子の振る舞いを観測することで、レーザー航跡場の加速特性の精密調査を行い、現状までに明確になっていない特性の詳細解明を目指している。現在この線型加速器の基本設計が終了しおり、その主な構成は、Cバンドレーザー髙周波電子銃、ソレノイドレンズ、Cバンドバンチャー、Qのトリプレット収束系である。髙周波電子銃が100fsの幅で2MeV程度の電子バンチを発生し、10Me以上で数十fs以下にバンチャーにより加速・速度変調圧縮する方法で、プラズマ加速領域の位相空間に整合するフェムト秒領域の短パルス電子を生成する。現状で我々は、本線型加速器用のクライストロンモジュレータ系の製作を終了して所望の性能(350kV,4us)を得て、髙周波電子銃空胴と進行波型バンチャー加速管の具体的な設計をしつつあり、近く製作を開始する。本発表では、加速器の構成やフェムト秒電子バンチを生成可能なビーム光学のシミュレーション結果、製作した装置の現状を報告する。