FRPI051  ハドロン加速器  8月2日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 10:50-12:50
J-PARC RCS冷却水設備冷却塔ファンベアリングユニットの製作
Production of the cooling towers fan bearing unit at J-PARC RCS.
 
○藤来 洸裕,菅沼 和明,山﨑 良雄(原子力機構 J-PARC)
○Kosuke Fujirai, Kazuaki Suganuma, Yoshio Yamazaki (JAEA J-PARC)
 
J-PARC RCS(Rapid Cycling Synchrotron)冷却水設備では、電磁石、加速空胴などの熱源機器に冷却水を供給している。装置へ供給される冷却水の温度は、屋外に設置されている冷却塔にて27℃になるように冷却塔ファンを回し冷却している。2015年4月にある冷却塔ファンのベアリングユニットから異音がしていた。そのベアリングユニットを分解し軸受を切断してみたところ、プーリー側の軸受にはフレーキング痕や内輪の軌道面の中心より上に接触痕があることがわかった。なぜプーリー側の軸受にのみ特有の傷がついたのか調べることにした。プーリー側の軸受はファンが回る際に発生する上下の動きと併せてファンベルトによって横方向へ引っ張られている。プーリー側はこれらの振動や荷重が加わったことで特有の傷がついたと推測した。また、軸受がグリス密閉式でグリスの入れ替えができない構造となっており、フレーキングによる剥離物が軸受内に残った状態で運転したため,小さな傷がその剥離物によって広がってしまったと考えられる。そこで以上の問題点を考慮し冷却塔ファンの安定運転のために上下、横方向の振動や荷重に耐えグリスを密閉式ではなく定期的に交換することができるベアリングユニットを新たに製作することにした。本発表では、新しく製作したベアリングユニットの構造と初期の振動値等のパラメータについて報告する。