FRPI039  ビーム診断・ビーム制御  8月2日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 10:50-12:50
J-PARC MRにおけるマルチリボンビームプロファイルモニターの現状報告
Status report on multi-ribbon beam-profile monitor at J-PARC main ring and its beam transport line
 
○橋本 義德,外山 毅,佐藤 洋一,魚田 雅彦,堀 洋一郎(高エネ研・J-PARC),佐藤 究(東大・理),酒井 浩志,遠藤 正之(三菱電機SC)
○Yoshinori Hashimoto, Takeshi Toyama, Yoichi Sato, Masahiko Uota, Yoichiro Hori (KEK/J-PARC), Kiwamu Sato (U Tokyo, Physics), Hiroshi Sakai, Masayuki Endo (Mitsubishi SC)
 
J-PARC メインリング(MR)とそのビームトランスポートラインでは、マルチリボンプロファイルモニター(MRPM)による大強度陽子ビームのプロファイル測定が行われている。MRPMは、入射のトランスポートライン(3-50BT)に10台、MRに1台、MRの遅い取り出しセクションに2台、ハドロンビームラインに1台、アボートビームラインに2台の合計16台がある。ターゲットの材質には、大強度陽子ビームへの耐久性を追究して、1.1~3 ㎛ の厚さの高品質グラファイト、または1.2 ㎛ の厚さのチタンを用いている。計測には、陽子ビーム通過時のエネルギー付与による放出二次電子を用いている。 近年では、ビーム診断の高度化のために、アボートビームラインのMRPMでは、MRビームを任意の時刻にアボートする取り出しシステムと組み合わせることで、必要な時刻のMRビームを測定できるシステムを構築中である。また、MRにある1台では、垂直方向測定用のターゲットがチタンであり、周回ビームに対する耐久性に問題が出てきたために、これとは別に、耐久性の高いグラファイトターゲットをもつ3-50BTのMRPM1台を今夏にMRに移設する予定である。大強度入射ビーム500 ターン程度についてのビームダイナミクスの測定システムを構築する。 本報告では、2008年の運転開始時から今日までのMRPMのレビューを行い、大強度陽子ビームに対しての測定装置としての特性と、測定アプリケーションについてのまとめを行う。