FRPI035  ビーム診断・ビーム制御  8月2日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 10:50-12:50
KEK電子陽電子入射器のビーム形状測定高性能化と8電極BPMを用いたエネルギー広がり測定
Development of beam profile monitor and energy spread monitor using 8 electrodes BPM at KEK e+/e- Injector Linac
 
○宮原 房史,佐藤 政則,諏訪田 剛,古川 和朗(高エネ研),早乙女 秀樹(関東情報)
○Fusashi Miyahara, Masanori Satoh, Tsuyoshi Suwada, Kazuro Furukawa (KEK), Hideki Saotome (KIS)
 
KEK電子陽電子入射器は SuperKEKB HER、PF, PF-ARへ電子ビーム、SuperKEKB LERへ陽電子ビームを供給している。HER、LER入射には低エミッタンスビームが要求されるが、そのためにはエミッタンス増大抑制と理解が必要であり、入射器中のビーム形状の変化を詳細に測定する必要がある。電荷量に対するダイナミックレンジは陽電子生成用の電子ビームの約10 nC/bunchからPF, PF-AR用の0.3 nC/bunchまで広い範囲に対応することが要求される。これまでのビーム形状測定システムは簡易的で分解能の良くないシステムであっため、YAG:Ceスクリーンまたは遷移放射測定用スクリーンを採用し、専用の光学系を構築することで光学系の分解能がFWHMで10ミクロン以下となるビーム形状測定システムを導入した。レーザーと電子銃のRF、ビームと加速管のRFのタイミング変化にともなうビームのエネルギー分布の変化が下流のリング入射に影響を及ぼすため、分散関数が大きな位置での非破壊でのビーム形状測定が有用である。入射器では180度アーク部中央に8電極のストリップライン型BPMが設置されており、ビームの4重極モーメントを測定することで、エネルギー広がりの変化が測定可能である。4重極モーメントはビーム位置にも依存するため、BPM直下流のスクリーンモニターと同期測定を行い、位置補正関数を導入した。 これらのシステムの詳細と評価試験、運転での運用について報告する。