FRPI018 光源加速器 8月2日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 10:50-12:50 |
cERL自由電子レーザー用アンジュレータの開発 |
Development of the tandem undulators for the cERL-FEL |
○土屋 公央,阿達 正浩,塩屋 達郎,江口 柊,加藤 龍好(KEK加速器) |
○Kimichika Tsuchiya, Masahiro Adachi, Tatsuro Shioya, Shu Eguchi, Ryukou Kato (Accelerator Laboratory, KEK) |
現在、高エネルギー加速器研究機構のエネルギー回収型ライナック(cERL)においては新たに赤外波長域の自由電子レーザーの開発が計画されている。この計画では、各種樹脂材料の加工に有用な光源となる中赤外波長領域(波長10~20 μm )の波長可変な高出力レーザー光源を開発する事を目標とする。電子ビームエネルギーが17.5MeVであるcERLにおいて、この波長領域の放射光を発生させるために周期長24mm、長さ3mのアンジュレータを2台タンデムに配置して使用する予定である。このアンジュレータは、最小ギャップが10mmと狭いもののアウトバキューム型を採用している。また波長変更のためには、通常行われる磁石列間のギャップ調整ではなく、上側磁石列を長手方向にスライドさせてるadjustable phase undulator (APU)として使用する。このアンジュレータの開発に当たって重要な課題のひとつにアンジュレータ内部の電子ビームの輸送が挙げられる。cERLの電子ビームエネルギーは17.5MeVと低いために、アンジュレータの各極で生じる積分磁場の微小な誤差が積み重なることで電子軌道を大きく曲げてしまう。これは真空チャンバーの内径が8mmと狭い垂直方向に関しては重要な問題となる。本発表では、cERL自由電子レーザー用アンジュレータの開発の現状とその磁場調整方法に関する取り組みについて報告する。 |