FRPI017  光源加速器  8月2日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 10:50-12:50
あいちSRにおけるAPPLE-Ⅱ型アンジュレータ運転中の不安定性の解析
Study of beam instability caused by vertical polarization mode of APPLE-II undulator in AichiSR
 
○木村 圭吾(名大工),保坂 将人,石田 孝司,真野 篤志,郭 磊,高嶋 圭史(名大SRセンター),加藤 政博(分子研UVSOR),大熊 春夫(大阪大学)
○Keigo Kimura (Grad. Sch. of Eng. Nagoya Univ.), Masahito Hosaka, Takashi Ishida, Atsushi Mano, Guo Lei, Yoshifumi Takashima (SR Center Nagoya Univ.), Masahiro Katoh (UVSOR IMS), Haruo Ohkuma (Osaka Univ.)
 
APPLE-Ⅱ型アンジュレータは比較的単純な磁気回路でありながら様々な偏光の準単色光を生成できることから多くの放射光施設で導入されている。このアンジュレータはあいちシンクロトロン光センターにも導入されているが、縦偏光モードで運転した場合、アンジュレータギャップが35mm以下になると蓄積リングの電子ビームに水平方向のバンチ結合型不安定性が励起され、最終的に電子ビームが失われる現象が観測されている。スペクトラムアナライザを用いたモード解析によってこの不安定性の直接的な原因はRF加速空洞の高次モードに起因する可能性が高いことが明らかになった。我々は、不安定性の励起よりもむしろ減衰にアンジュレータの影響がある可能性を考え、電子ビームの振動の減衰の様子を調べる実験を行った。その結果、アンジュレータギャップを縮めることで生じる多極磁場がランダウ減衰に影響を与えていることが示された。そこで、マルチワイヤーあるいは多極電磁石を用いることでアンジュレータの影響を打ち消し、不安定性の出現を抑制することを検討している。 本発表では研究の最新の状況を報告する。