FRPH040 電磁石と電源 8月2日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 10:50-12:50 |
打切特異値分解法を用いた永久磁石の内部磁化推定 |
Non-Destructive Magnetization Distribution Evaluation with Truncated Singular Value Decomposition |
○菅原 賢悟,伊藤 彰洋(近畿大) |
○Kengo Sugahara, Akihiro Ito (Kindai University) |
近年、永久磁石の性能や品質の向上に伴い、これまで電磁石が用いられてきた粒子加速器用の磁石に永久磁石が用いられる機会が増加している。ところが、永久磁石は必ずしも理想的に着磁されているとは限らず、磁化が一様に分布していない可能性がある。そのため、永久磁石の磁化を非破壊で容易に推定する手法を発表する。この手法には磁気モーメント法に表面磁荷法の考え方を取り入れた電磁場解析ソフトウェアであるELF/MAGICを用いている。このソフトウェアにTSVD法(打ち切り特異値分解法)を組み込むことによって、磁場の測定データから磁化を推定した。TSVD法を適用することにより、磁化推定の際に測定誤差の大きな高次モードを打ち切り、測定データの不完全性を取り除くことができる。我々は測定用に改造した3Dプリンタと磁気位置センサを用いてネオマグ株式会社製のフェライト磁石近傍の磁場を測定し、この手法で磁化分布の推定を行った。その結果、磁化の不均一性は磁石の表面に分布しており、内部は比較的均一に着磁されている。なお、この磁石は、磁場発生に永久磁石を用いる小型かつ運用コストの安い卓上NMR装置に使用しているものである。 |