FRPH039 電磁石と電源 8月2日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 10:50-12:50 |
表面磁荷法の特徴を持つ磁気モーメント法:ELF/MAGIC |
Magnetic Moment Method with the Idea of Magnetic Surface Charge Method |
○菅原 賢悟(近畿大),矢野 博幸(株式会社エルフ) |
○Kengo Sugahara (Kindai University), Hiroyuki Yano (ELF Corp) |
RADIAに代表される磁気モーメント法(Magnetic Moment Method)は,実装の単純さや計算量の「軽さ」の点からよく知られている方法である.近年,永久磁石の性能や品質の向上に伴い,これまで電磁石が用いられてきた粒子加速器用の磁石に,永久磁石が用いられる場合が増加しており,その設計にはRADIAが使われる文献も多数みられる.磁気モーメント法は,有限要素法で必要とされる空気メッシュが不要なことや,磁性体領域を比較的粗いメッシュで扱うことが可能であるといったメリットを持ち,荷電粒子の軌跡を計算する際に空間メッシュがなく,任意の空間点で精度よく電場・磁場が計算できる利点がある.しかし,RADIAの開発元であるESRFのサイトにも記載があるように,磁気モーメント法を用いる場合には,磁性体のメッシュを磁路に沿わせるようにメッシュを切る必要があり,メッシングを注意深く行わないと解析精度が得られないという問題が知られている.本発表では,磁気モーメント法に,表面磁荷法の考え方を取り込んだELF/MAGICを紹介する.ELF/MAGICは,磁気モーメント法と同等の「軽さ」を持ちながら,上述のメッシングの問題はなく,解析精度に対するメッシュ構造依存性が少ないという特徴を持つ.いくつかの数値計算実験例を通じて,本手法は比較的粗いメッシュでも高精度な解析結果が得られることを示した. |