FROI11  加速器土木  8月2日 国際科学イノベーション棟5階 ホール 16:20-16:40
J-PARC MRにおける測位センサネットワーク装置と防災用アプリの全域実装
Full-scale implementation of positioning sensor network devices and disaster prevention application in J-PARC MR
 
○川端 康夫,松田 浩朗,松元 和伸(飛島建設株式会社),田頭 茂明(関西大学),石井 恒次(高エネルギー加速器研究機構),吉岡 正和(岩手大学、東北大学)
○Yasuo Kawabata, Hiroaki Matsuda, Kazunobu Matsumoto (Tobishima Corporation), Shigeaki Tagashira (Kansai University), Koji Ishii (KEK), Masakazu Yoshioka (Iwate University,Tohoku University)
 
筆者らは,J-PARCのような大規模な加速器施設における防災システムとして,施設内の研究者,作業者の位置情報,滞在時間および緊急時の双方向情報伝達等を実現するために,測位センサネットワークによる双方向通信と同時測位を実現する安定性・信頼性の高い位置管理システムの研究・開発を進めてきた.昨年は,MR1.6kmの内,500mの区間に9か所のアクセスポイントを設け,加速器の停止期間中定期的に,防災アプリの試験運用を行った.本防災アプリは,使い慣れている「LINE」感覚で利用でき,「メッセージの同時送受信」,「メッセージの送信場所の記録表示」,「メッセージの既読表示」,「ユーザの現在位置の取得」,「ユーザの活動状態監視」等の各種機能が検証できた.また「ローカルな環境で動作可能」を実現し,導入やメンテナンスのハードルを低くすると同時に,高度なセキュリティが必要な施設に対しても対応しやすいアプリを実現している.これまでの研究成果により,J-PARCでの本格適用が決定,さらに厚生労働省の科学研究費補助金の対象研究に採択された.今後,3年間でJ-PARCでの完全運用を目指す.初年度はMRトンネル全周へハードの導入,次年度は本格的な利用を開始してユーザからのフィードバックによる課題抽出,最終年度は安全システムへの組み込み(全入域者への適用)を予定している.ここでは導入計画と目標とする最終成果,波及効果を概説する.