FROI04 高周波源/真空 8月2日 国際科学イノベーション棟5階 ホール 13:50-14:10 |
Sバンド7.5MW高効率クライストロンの追加試験結果 |
Additional test results of S-band 7.5MW high efficiency klystron |
○鈴木 健一郎,大久保 良久(キヤノン電子管デバイス株式会社) |
○Kenichiro Suzuki, Yoshihisa Okubo (Canon Electron Tubes & Devices Co., Ltd.) |
キヤノン電子管デバイス(株)では、クライストロンの効率向上を目指して各種の研究開発を実施している。クライストロンの効率を向上させる手法としてCOM、BAC、Kladistron等の手法が知られており、いずれにおいても出力空胴で加速される電子を減らすことを主眼においている。当社ではこれら手法の要素を取り入れた設計を既存のSバンド7.5MWクライストロンに適用することを検討した。従来の設計では5空胴で45%程度の効率であったものを、高調波空胴2個を含む10空胴の設計に置き換えることで60%以上の効率を期待することができることがわかった。この設計において特徴的なことは、パービアンスが1.8uPと高く効率向上には不向きでありながら高効率化していることと、電子銃、集束コイルおよびRF出力回路を既存クライストロンと共通化しているために既存RF源の高効率化が容易なことである。これまでにこの高効率設計を適用した試作クライストロンを2機製作し、2018年の加速器学会年会において59%の効率を確認できたことを報告した。その後、クライストロンの電子ビームを集束している磁場の分布によっては更なる効率向上を見込めることが判明し、追加試験を行った。本発表では集束磁場の最適化を行った場合の試験結果および今後の高効率クライストロンの展開について報告する。 |