FROI01  ビームダイナミクス  8月2日 国際科学イノベーション棟5階 ホール 9:30 -9:50
SuperKEKBのにおけるIP Aberrationの原因となるIP近傍のx-y coupling源の特定
Study of the investigating x-y coupling error source near intaraction point of SuperKEKB
 
○廣澤 航輝(総合研究大学院大学),大見 和史(高エネルギー加速器研究機構)
○Kouki Hirosawa (SOKENDAI (the Graduate University for Advanced Studies)), Kazuhito Ohmi (High Energy Accelerator Research Organization (KEK))
 
電子陽電子衝突によるB中間子の物理探索を主な対象とする円形コライダー、SuperKEKBのPhase-3コミッショニングが2019年3月より開始された。SuperKEKBは、ナノビーム方式と大電流化によって高ルミノシティを目指す、ルミノシティフロンティアに携わる加速器であり、衝突点のビーム物理に対して非常に注意深く研究が行われている。2018年度に行われた、Phase-2コミッショニングでは、衝突点における一次のXY結合のビームチューニングを行った。一次のXY結合に関しては調整が成功し、調整前後比で2倍以上の著しいルミノシティの向上が達成された。Phase-3では高次のXY結合とスキュー6極磁場による非線形キックが衝突点ビームに対して大きな擾乱を与え始めることが推測される。実際にPhase-2においても理想的な電流-ルミノシティ分布は得られず、電流値に応じてルミノシティの劣化が確認されている。衝突点βと各エラー源におけるβの比を上げていくに伴ってそれら効果は大きくなるので、Phase-3以降の段階的なβの圧搾を見据えると、早期に調整方法を確立することが非常に重要である。ビームビームシミュレーションによるルミノシティ計算では、運動量の分散に比例するクロマティックXY結合と呼ばれる効果の影響とスキュー6極磁場のpx^2py成分の影響が現状のルミノシティを再現しうるという結果が出ているため、これらを重点的にスキャンし測定と調整を行う。