WEP128  加速器応用・産業利用  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
ERL-FELを用いた半導体リソグラフィー用高出力EUV光源
ERL-FEL based high-power EUV light source for lithography
 
○中村 典雄,河田 洋,加古 永治,加藤 龍好,梅森 健成,阪井 寛志,宮島 司(高エ研)
○Norio Nakamura, Hiroshi Kawata, Eiji Kako, Ryukou Kato, Kensei Umemori, Hiroshi Sakai, Tsukasa Miyajima (KEK)
 
EUVによる半導体リソグラフィーは、200W級のレーザー生成プラズマ(LPP:Laser-Produced Plasma)光源とそれに基づく露光装置の開発が進んでおり、量産化へと向かっている。EUVリソグラフィーによる量産が始まれば、近い将来には3nmノード以下のLSI生産の実現に向けてLPP光源では難しいとされる1kW級出力を供給できるEUV光源が要求される。エネルギー回収型リニアック(ERL:Energy Recovery Linac)を電子加速器とする自由電子レーザー(FEL:Free Electron Laser)は、多数の露光装置へ同時に1kW級のEUV光を供給できる可能性を持つ。我々は、実際にERL-FELを用いた高出力EUV光源をコンパクトERLの開発や経験をもとに設計し、全周に渡るシミュレーションによって10kW級のEUV光源が実現可能であることを示した。一方で、高出力性能以外にも産業化のためにいくつかの検討すべき項目がある。1つは、稼働率(availability)であり、98%を越えるような高い稼働率が半導体リソグラフィー用光源には求められる。また、光源のサイズもユーザーにとって大きな関心事の1つである。今回の発表では、半導体リソグラフィーのためのERL-FELを用いた高出力EUV光源の概要及び産業化に向けた検討と課題について報告する。