WEP092  加速器制御  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
SACLA複数ビームラインの独立運転制御のための運転インターロックシステム改良
Improvement of operation-interlock system for independent operation of multiple beam-lines in SACLA
 
○松原 伸一(高輝度光科学研究センター),黒木 教平,北村 全伸(日立造船株式会社),尾藤 竹志(アイエムティー株式会社),前坂 比呂和,大竹 雄次(理化学研究所放射光科学総合研究センター)
○Shinichi Matsubara (JASRI), Kazutoshi Kurogi, Masanobu Kitamura (Hitz), Takeshi Bito (IMT), Hirokazu Maesaka, Yuji Otake (RIKEN SPring-8 Center)
 
X線自由電子レーザー(XFEL)施設SACLAでは、8GeVの加速器で加速された60Hzの電子ビームを複数のビームラインへショット毎に振り分け、XFELの利用機会を増やす高速振り分け運転が行われている。また、振り分け先の1つとして、SPring-8の蓄積リングへ高品位の電子ビームを入射する計画が進んでいる。当初の高速振り分け運転では、あるビームラインにおいてビーム損失異常や電磁石の励磁異常などのインターロックが発報した際に、全ての振り分け先への電子ビームの出射が停止されていた。しかし、高速振り分けによる複数ビームラインの同時利用が定常的になり、ビームライン毎に別のユーザー実験が行われるようになった現在では、インターロック対象でないビームラインの運転を妨げないインターロックシステムが求められた。そこで、複数のビームラインを独立に管理し、異常の発生したビームルートへ入射されるビームだけを停止させるインターロックシステムを構築した。本改良により、あるビームルートのエネルギーを変更する時や加速器パラメータの調整を行う際に、その他のビームルートにおいて運転を中断する必要は無くなり、XFELの利用が継続できることになった。また、あるビームルートでインターロックが発報した際も、その他のビームルートの運転は継続され、運転の中断時間を減らすことができた。