WEP044  粒子源  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
光渦を励起光源に用いた偏極電子生成の試み
Trying to generate polarized electron beam using twisted light.
 
○真野 篤志(名大SR),松永 幸大(名大院工),藤本 將輝,郭 磊,加藤 政博(分子研UVSOR),保坂 将人,高嶋 圭史(名大SR)
○Atsushi Mano (Nagoya University SR Center), Yukihiro Matsunaga (Graduate School of Engineering, Nagoya University), Masaki Fujimoto, Lei Guo, Masahiro Katoh (UVSOR), Masahito Hosaka, Yoshifumi Takashima (Nagoya University SR Center)
 
光軸に対し方位角方向に連続的に変化する位相の空間分布を作ると、光渦と呼ばれる特殊な状態になる。光渦において位相分布の中心点は位相が不特定となる特異点であり、強度がゼロになる。このため、光渦はドーナツ状の強度分布をもつ。さらに、光渦は軌道角運動量を有する。 我々は、これらの性質に注目し、半導体フォトカソードによる電子生成、特にスピン偏極電子生成への応用を試みた。 光渦の軌道角運動量を電子のスピン角運動量に変換できる場合、バルクGaAsのような単純な構造のフォトカソードを用いても、高い偏極度を実現できる可能性がある。また、励起光源の強度分布が電子ビームの強度分布となるフォトカソードの性質から、ドーナツ状の強度分布によって電子の発散力を低減することで、空間電荷効果を抑制し、エミッタンスが改善できる可能性もある。 我々は反射型空間変調素子(SLM)を利用し、光渦生成光学系を構築した。また、現在、光渦励起で生成した電子ビームによる偏極度測定の準備を進めている。本発表は現状を報告する。