WEP040  粒子源  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
J-PARC水銀ターゲット容器用高強度オーステナイトステンレス鋼の試作とその評価
Fabrication tests and the property evaluation of high-strength austenitic stainless steel for spallation mercury target vessel of J-PARC
 
○若井 栄一,涌井 隆,原田 正英,高田 弘(原子力機構 J-PARCセンター),池田 陽子(日鉄住金テクノロジー)
○Eiichi Wakai, Takashi Wakui, Masahide Harada, Hiroshi Takada (JAEA J-PARC Center), Yoko Ikeda (NSST)
 
水銀ターゲット容器は、水銀との耐食性を考慮して、現在、炭素濃度を低減したSUS316L鋼で製作されているが、標準のSUS316鋼よりやや強度が低い。このため、設計強度を高めるためにSUS316Lに窒素を約0.16%添加したSUS316LN鋼の使用の検討を行っている。市中には、厚さ30mm程度のSUS316LN鋼は購入することができるが、ターゲット容器を製作できる厚さのインゴットの入手は大変難しい。このため、SUS316LN鋼の試作試験では、製造性も良好な化学組成と強度などの基本特性が得られるように、熱間鍛造、熱間圧延などを経て製作を行った。また、不純物で含有するCo量は、運転後の容器の放射能を低減するため、できるだけ低濃度にすることが望ましいため、併せて不純物濃度の低下を試みた。本試作は、溶接特性を考慮して、Cr当量とNi当量の比も併せて調整し、良好な各特性を持つ試作材を製作できた。