WEP032 ビームダイナミクス・加速器理論 8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10 |
cERLにおける空間電荷効果が支配的な電子ビームの光学関数とエミッタンス補償条件の改善 |
Improvement of optical functions and emittance compensation for space charge dominated electron beam in the compact ERL at KEK |
○宮島 司(高エ研),布袋 貴大(総研大),本田 洋介,島田 美帆,高井 良太,帯名 崇,加藤 龍好(高エ研),永井 良治(量研) |
○Tsukasa Miyajima (KEK), Takahiro Hotei (SOKENDAI), Yosuke Honda, Miho Shimada, Ryota Takai, Takashi Obina, Ryukou Kato (KEK), Ryoji Nagai (QST) |
cERL入射器のような低エネルギー領域にある電子ビーム輸送では、環境磁場等の外乱や空間電荷効果によって、ビーム光学関数と射影エミッタンスの補償条件が設計条件から外れてしまい、ビーム性能が悪化する。このずれを補正することが高いビーム性能を実現する上で重要である。これまでのcERLのビーム運転では、四極磁場に対するビームサイズ応答を測定・補正することで、バンチ電荷が小さく空間電荷効果の弱い条件では設計輸送条件を実現できるようになったが、空間電荷効果が支配的な領域ではずれを補正しきれず、射影エミッタンスの増大が起きていた。原因の一つとして、入射器超伝導空洞のモデルが現実を反映しきれていないという課題があったが、入力結合器と高調波減衰結合器を加えた3次元加速空洞モデルを新たに作成し、これを用いることで単粒子運動をほぼ再現できるようになった。次の段階として、新しいモデルを用いたときに輸送条件の補正がどの程度改善されるかを調べるために、空間電荷効果の支配的な電子ビームに対する補正試験を行った。新しいモデルを用いることで、四極磁場の補正量を小さく抑えることができ、また射影エミッタンスを以前より低減することができた。 |