WEP026 光源加速器 8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10 |
デルブリュック散乱精密測定に向けたレーザーコンプトン散乱による準単色1 MeVガンマ線発生 |
Generation of quasi-monochromatic 1-MeV gamma-rays by laser Compton scattering for precise measurement of Delbrück scattering |
○全 炳俊(京大エネ研),早川 岳人(量研),Salehi Elham,藤本 將輝(分子研UVSOR),静間 俊行,Koga James K.(量研),紀井 俊輝(京大エネ研),加藤 政博(分子研UVSOR),大垣 英明(京大エネ研) |
○Heishun Zen (IAE, Kyoto Univ.), Takehito Hayakawa (QST), Elham Salehi, Masaki Fujimoto (UVSOR, IMS), Toshiyuki Shizuma, James K. Koga (QST), Toshiteru Kii (IAE, Kyoto Univ.), Masahiro Katoh (UVSOR, IMS), Hideaki Ohgaki (IAE, Kyoto Univ.) |
デルブリュック散乱は原子核の近傍でガンマ線が原子核の電場によって散乱される現象で、量子電磁気力(QED)により記述される。直線偏極ガンマ線の物質による散乱を特定の角度で観測すると、デルブリュック散乱を他の散乱と区別して測定できる事が詳細な計算により示された(Koga & Hayakawa PRL 118, 204801 2017)。この様な実験を行う事で、QEDの理論を検証する事が可能となる。本研究では、上記の実験に必要な直線偏極した約1MeVのガンマ線発生に低エネルギー蓄積リングを周回する電子ビームとCO_2レーザーとのレーザーコンプトン散乱(LCS)が利用可能であると考え、電子蓄積リングUVSOR-III(エネルギー746MeV)にて最大エネルギーとフラックスを数値計算で予測すると共に、実験的に確認する為、予備実験を行った。その結果、予測される最大エネルギーは約998keVであり、実験的にも1MeV以下である事が確認された。平均パワー100WのCO_2レーザーを想定した場合、予測されるフラックスは約3×10^7 ph/s(15%BW)であったが、1.1WのCO_2レーザーを用いた予備実験から推測されるフラックスは約4×10^6 ph/s(20%BW)であった。フラックスが低下した原因は集光条件や軸出しの調整不良であると考えられる。フラックスが低下した条件に置いても、積算時間を増やせば、上記の散乱測定実験は実施可能であるが、より測定効率を高めるためには、更なる調整が必要である。 |