WEP011  ハドロン加速器  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
J-PARC主リングにおける30GeV陽子ビームの遅い取り出し調整
Beam commissioning of slow extraction at J-PARC Main Ring
 
○武藤 亮太郎,新垣 良次,木村 琢郎(高エ研),松村 秋彦(日本アドバンストテクノロジー),村杉 茂,岡村 勝也,白壁 義久,冨澤 正人,柳岡 栄一(高エ研)
○Ryotaro Muto, Yoshitsugu Arakaki, Takuro Kimura (KEK), Akihiko Matsumura (NAT), Shigeru Murasugi, Katsuya Okamura, Yoshihisa Shirakabe, Masahito Tomizawa, Eiichi Yanaoka (KEK)
 
J-PARC主リングでは、30GeV陽子の遅い取り出しビームをハドロン実験施設での素粒子原子核実験に供給している。大量のKおよびπ中間子を二次粒子生成標的で生成するために、大強度かつ時間構造の少ないビームが求められている。 セプタムリボンの断線により2017年5月以降1台運転となっていた静電セプタムを2017年夏のメンテナンス期間に2台体制に復旧し、2018年1月から2月にかけて遅い取り出しビーム運転を行った。これまでに達成した99.5%という高い取り出し効率を保ったまま、ビームパワー51kWでのユーザー利用運転を実現した。これは現在のハドロン実験施設の受け入れ可能ビームパワーの上限値53.4kWにほぼ達するパワーである。取り出しビームの時間構造を表すスピルduty factorは約50%であった。 また、1shotでのビーム試験においては、62kWに相当する粒子数のビームを99.5%の効率を保ったまま取り出すことに成功した。 本発表では、2018年1-2月および6月の遅い取り出しのビーム運転におけるビーム調整、ビーム試験の結果と、今後の展望について述べる。