WEP003  電子加速器  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
ILCクライオモジュール用位置調整機構『アクティブムーバ』の開発
Development of Active Mover for Remote Position Adjustment of ILC Cryomodule
 
○阿部 優樹,鵜沢 知弘,藤原 康宣(一関工業高等専門学校),渡辺 雅哉(東邦テクノス),菊地 正(NECプラットフォームズ),早野 仁司(高エネルギー加速器研究機構)
○Yuki Abe, Tomohiro Uzawa, Yasunori Fujiwara (National Institute of Technology, Ichinoseki College), Masaya Watanabe (Tohotechnos), Tadashi Kikuchi (NEC Platforms), Hitoshi Hayano (KEK)
 
ILC(International Linear Collider)は,国際協力のもとに計画されている線形加速器であり,クライオモジュールと呼ばれる超伝導空洞等を内蔵した筒形断熱装置を次々と接続することで,全長20kmの線形加速器を実現し,電子と陽電子を加速し衝突実験を行う計画である. このなかで,バンチ圧縮部に用いられるクライオモジュールはビーム運転中にビームの応答を見ながら鉛直・水平方向の位置調整が必要となる.現在,実証試験に使われているクライオモジュール試験機では手動で位置調整が行われているが,実際に建設される加速器ではクライオモジュールの精密位置決めを可能とする遠隔操作型のアクティブムーバの実装が求められている.本研究は,ILCクライオモジュールに適用可能な『アクティブムーバ』の設計開発に関するものである. アクティブムーバには,重量約12tのクライオモジュールを鉛直・水平方向に10µmの分解能で位置決めを行う性能が要求される.筆者らはこれを実現する機構として,①2つの偏心カムから構成される2カム方式および②テーパカムと偏心カムから構成される2軸方式の2つの方式を提案している.本報告では,1/7スケールのモックアップの試作とその性能評価実験により両方式の設計要件および実現可能性について報告する.