WEOM10  電磁石と電源1  8月8日 特別会議室2 18:30 - 18:50
SuperKEKBにおける水平方向衝突軌道保持制御システムの実証試験
Demonstration of the collision feedback system for the SuperKEKB horizontal orbit at the interaction region
 
○大木 俊征,船越 義裕,増澤 美佳,川本 崇,上原 貞治,中村 衆(高エネ研),Wienands Ulrich(アルゴンヌ国立研究所),Fisher Alan Stephen(スタンフォード線形加速器センター),Jehanno Didier,Carlo Salvatore di,Pang Chengguo,Bambade Philip(オルセー線形加速器研究所)
○Toshiyuki Oki, Yoshihiro Funakoshi, Mika Masuzawa, Takashi Kawamoto, Sadaharu Uehara, Shu Nakamura (KEK), Ulrich Wienands (ANL), Alan Stephen Fisher (SLAC), Didier Jehanno, Salvatore Di Carlo, Chengguo Pang, Philip Bambade (Orsay, LAL)
 
電子陽電子衝突型加速器であるSuperKEKB加速器は、世界最高のピーク・ルミノシティを達成したKEKB加速器の、さらに40倍のルミノシティを目指す高度化計画である。衝突点でのビームサイズは水平方向10μm、垂直方向50~60nmであり、こうしたナノオーダーのビームを如何に衝突させてそれを維持するかが最も重要な課題の一つであって、これまでに無い困難を克服する必要がある。そのため、水平方向の衝突点軌道保持制御システムとして、PEP II加速器で実績のあるデザリングシステムを新たに導入した。このシステムでは、陽電子ビームを水平方向に揺さぶり(デザリング)、ルミノシティの変調を計測し、その応答から電子ビームを水平方向にどの程度変位させれば良いか割り出し、高いルミノシティを維持する。2018年3月から始まった加速器運転では、順次ビームを絞り込み、4月26日に初めての衝突を観測した。ビームは最終的なビームサイズに絞り込んでいないものの、デザリングシステムによる軌道制御試験も実施し、期待通り制御できることを初めて確認できた。本発表では、このデザリングシステムの概要と、ハードウエア、衝突試験で得られた衝突軌道保持制御の様子について紹介する。