WEOM07  電磁石と電源1  8月8日 特別会議室2 17:30 - 17:50
MRIサイズの小型リングへ入射するための高度のX-Y結合を伴う3次元螺旋入射手法の開発
Development of three-dimensional spiral beam injection scheme with X-Y coupling beam for MRI sized compact storage ring
 
○飯沼 裕美(茨大理工学研究科),阿部 充志(KEK素核研),生出 勝宣,大沢 哲(KEK加速器),佐々木 憲一(KEK低温センター),中山 久義,久松 広美(KEK加速器),深尾 祥紀(KEK素核研),古川 和朗(KEK加速器),三部 勉(KEK素核研),リーマン ムハマド アブドゥル(総研大)
○Hiromi Iinuma (Ibaraki-Univ.), Mitsushi Abe (KEK-IPNS), Katsunobu Oide, Satoshi Ohsawa (KEK-ACCL), Ken'ichi Sasaki (KEK-CLYO), Hisayoshi Nakayama, Hiromi Hisamatsu (KEK-ACCL), Yoshinori Fukao (KEK-IPNS), Kazuro Furukawa (KEK-ACCL), Tsutomu Mibe (KEK-IPNS), Muhammad Abdul Rehman (SOKENDAI)
 
標準理論を越えた物理探索のため、新しい実験方式によるスピン歳差運動の精密測定を行うJ-PARC g-2/EDM実験が進んでいる。ミューオン電子双極子モーメント(EDM)の信号をミューオンスピン歳差運動から抽出するために、EDM測定の理想「電場が存在せずに磁場精度サブppmの精密調整された静磁場中にビームを蓄積」を目標に、従来の実験方式(BNL/E821や、FNAL/E882)に比べ半径が10分の1小さいMRIサイズ(直径70㎝弱)の単ユニットソレノイド型超電導磁石内部にミューオンビームを蓄積する手法を確立した。ビーム入射地点でのTwiss parameter調整を最適化し、蓄積磁石内部の磁場分布形状にマッチするようX-Y結合させたビーム位相空間を保ちつつ蓄積領域付近までビームを誘導する。次にソレノイド磁場有効領域内に配置したヘルムホルツ型コイルによる数100ナノ秒程度のパルス磁場によりビーム軌道が蓄積領域内の定常軌道へ乗るよう制御する。さらに、蓄積領域内には弱収束静磁場をかけて、ビーム運動の径方向成分とソレノイド軸方向成分を同時に収束する。本公演では、EDM測定に必要なビームに対する要求を議論する。さらに、蓄積磁石内部の磁場の空間分布形状とビーム位相空間の関係から入射の条件を算出し、入射効率を最適化するための弱収束磁場分布形状、パルス磁場発生コイルの空間配置の決定手法を議論する。