WEOLP01  合同セッション  8月8日 合同会場 9:50 - 10:20
SuperKEKBフェーズ2におけるコミッショニングの成果
Report on SuperKEKB Commissioning in Phase 2
 
○大西 幸喜(高エネルギー加速器研究機構)
○Yukiyoshi Ohnishi (KEK)
 
SuperKEKB加速器は、陽電子・電子衝突型円形コライダーである。大量にB中間子生成を行い、その崩壊過程から稀に起こる新しい物理を含む物理事象を発見することを目的とする。非常に稀な事象であるため、高統計のデータを必要とする。したがって、最終的に目標とするルミノシティは8x1035 cm-2s-1という前例のない高いものとなっている。約2年前に、真空焼き出し、および低エミッタンス調整を目的としたフェーズ1運転を行った。今回、新しく最終収束系磁石とBelle II測定器を導入して、フェーズ2と呼ばれる衝突実験に向けた調整運転を行ったので、その成果について報告する。フェーズ2における目標は、第一に、「ナノビーム」方式と呼ばれる世界でも類のない衝突方式を検証することにある。次に、測定器に対するビームに起因するバックグランドを低減することも目標とする。これらを実現するための陽電子と電子メインリング、入射器、陽電子ダンピングリングを紹介する。また入射器は、2つのSuperKEKBメインリングだけでなく、PFとPF-ARにも電子ビームの「振り分け入射」を行っていることも報告する。