WEOL10 ビーム診断・ビーム制御/LLRF 8月8日 特別会議室1 18:30 - 18:50 |
MTCA.4規格低電力高周波システムのSPring-8蓄積リングへの導入 |
Upgrade of LLRF system at SPring-8 Storage Ring using MTCA.4 Standard modules |
○大島 隆,細田 直康,大橋 裕二,佐々木 茂樹,安積 隆夫(高輝度光科学研究センター),福井 達,前坂 比呂和,稲垣 隆宏(理研) |
○Takashi Ohshima, Naoyasu Hosoda, Yuji Ohashi, Shigeki Sasaki, Takao Asaka (JASRI), Toru Fukui, Hirokazu Maesaka, Takahiro Inagaki (RIKEN) |
SPring-8の低電力高周波システムでは、MTCA.4規格のモジュールを用いたシステムへの移行を実施中である。このシステムでは、従来のものに比べ、使用モジュール数、占有空間の大幅な削減が可能である。また、広い通信帯域を持っているため、異常時などの波形データの保存も可能となる。新システムでは、新規開発した16bit 370Ms/sの高速デジタイザAMC、信号処理RTMを用いて、508MHzのRFの位相・振幅の検出を行なっている。検出方式としてはアンダーサンプリング方式を採用した。またフィールドバスとしてEtherCATを用いることで省配線を実現した。位相振幅安定化プロセスは、AMCに実装されたFPGAで実行している。空洞の共振維持、クライストロンのアノード電圧制御はMTCA.4のCPU上で動作するプロセスで行っている。まず、テストスタンドで試験運転を行い、新システムの問題点の洗い出しを行った。その後、2018年2月末から蓄積リングの1つのRFステーションに導入作業を開始した。新システムは2018年4月の調整運転ののち、ユーザー運転に供されている。調整運転時にはトラブルも発生したが、その後は安定に動作しており、MTCA.4システムで0.1度以下の位相安定度、1E-3以下の振幅安定度が確認できた。本発表では、MTCA.4システムの構成、性能、今後の予定などについて報告する。 |