WEOL06  ビーム診断・ビーム制御/LLRF   8月8日 特別会議室1 17:10 - 17:30
SPring-8蓄積リングにおける光位置モニタの性能と光軸変動の観測
Performance of the X-ray beam position monitors and observation of beam drifts in the SPring-8 storage ring
 
○青柳 秀樹,古川 行人,高橋 直(高輝度光科学研究センター)
○Hideki Aoyagi, Yukito Furukawa, Sunao Takahashi (JSARI)
 
SPring-8では、すべての挿入光源ビームライン(ID-BL)、及び、大半の偏向磁石ビームライン(BM-BL)のフロントエンドに光位置モニタ(X-ray Beam Position Monitor, XBPM)を設置している。このXBPMは、基本的には光電子放出型でタングステン(一部はダイヤモンド)を母材とするブレード型検出素子を備えたタイプである。ID-BL用のXBPMは光軸近傍に上下左右に4枚の検出素子を配して水平・鉛直方向のビーム位置を、BM-BL用では上下に2枚を配置して鉛直方向のみのビーム位置を常時測定している。性能を十分に評価されたXBPMで光軸を観測することは、ユーザーに対するビームの安定供給を担保するだけでなく、蓄積リング電子ビーム軌道の診断にも有効性を持っている。蓄積リングのrf-BPMは電子ビームの閉軌道をグローバルに診断することに優れているのに対し、XBPMは個別のビームラインの放射光ビーム軸を正確に診断することに適している。本講演では、上述の従来型光位置モニタの性能を分解能、時定数、長期安定性などの観点から評価し、昨年度新たに試験的に導入したパルス・モード計測型光位置モニタのこれまでの運転実績を踏まえ、光軸変動の観測によって得られた知見について議論する。