WEOL03 加速構造 8月8日 特別会議室1 16:00 - 16:20 |
低温Cバンド銅製空洞における温度上昇と超高加速勾配動作のシミュレーション |
Simulation of temperature rise and super-high gradient operation of C-band cryogenic copper cavity |
○田中 俊成,境 武志,早川 建,早川 恭史,野上 杏子,佐藤 勇,住友 洋介,山田 靖征,吉田 昂斗(日大電子線利用研究施設) |
○Toshinari Tanaka, Takeshi Sakai, Ken Hayakawa, Yasushi Hayakawa, Kyoko Nogami, Isamu Sato, Yoske Sumitomo, Yasuyuki Yamada, Takato Yoshida (LEBRA, Nihon University) |
Cバンドの高純度銅製空洞を20K付近まで冷却すると常温の5.4-5.5倍程度まで無負荷Q値が高くなる。さらに、低温空洞ではRF放電限界が大幅に上昇することが実験的に示唆されている。したがって低温空洞の実用化は、パルス高周波空洞技術の延長線上において、常伝導でありながらも低損失・高効率で数100MV/mとなる超高加速勾配の電場を発生させられる可能性を有しており、大いに検討すべき課題と考えられる。日本大学では光陰極RF電子銃空洞として実用化するための基礎研究として、Cバンド2.6セルから成る20K冷凍空洞の特性研究を進めてきた。現状では高電力試験を行うための空洞も実験環境も整っていないが、今後高電力試験の実施を展望し、2.6セル空洞を例に簡単な仮定と一次元パルス熱拡散モデルに基づく空洞表面温度上昇のシミュレーションによって、最大電力50MW、パルス幅2μsの5712MHz高周波源を用いた際に到達できる加速電場の可能性と、空洞特性のパルス内応答について検討を行なった。これまでに行なったシミュレーションからは、パルス繰り返しは低いものの、空洞との結合係数β=10としたとき、RF電力に変調をかけることで350MV/m以上の平坦な加速勾配を1μs以上にわたり実現できる可能性が示唆されている。 |