THP130 加速器応用・産業利用 8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10 |
電子線パルスラジオリシス法によるポリαメチルスチレンの照射効果の研究 |
Study on irradiation effect of poly α methylstyrene by electron beam pulse radiolysis |
○内田 朋哉,花井 周太郎,坂上 和之,鷲尾 方一(早稲田大学 理工学術院総合研究所) |
○Tomoya Uchida, Shutaro Hanai, Kazuyuki Sakaue, Masakazu Washio (Research Insttitute for Sience and Engineering, Waseda Univ.) |
電子線リソグラフィーは電子線を用いた微細加工技術の一つである。電子線照射により特定の溶液に対して溶解度が変化する物質(レジスト)を用いることで,現像後に照射部とそうでない部分にパターンを生成することができる。ZEP520Aは電子線リソグラフィーに用いられるレジスト材料として非常に優れた性能を持っている。しかし開発から20年以上たった今でもZEP520Aの放射線反応の仕組みのすべては解明されておらず,反応機構の解明がリソグラフィー技術の発展につながることが期待されている。今回パルスラジオリシス法を用いてZEP520Aの構造の一部であるポリαメチルスチレンの基礎研究を行った。パルスラジオリシス法は放射線化学反応の初期過程を観察するのに強力な手法であり,ビームが照射された試料に生じた活性種の濃度や寿命などを測定することが可能である。この手法を用いてポリαメチルスチレンについて電子線の吸収線量を増大させたときの反応機構を解明することを目的として実験を行った。また構造がよく似たポリスチレンについても同様の実験を行い比較した。この2つの物質には放射線を照射したときの振る舞いが分解するか架橋するかの違いがあり,反応を理解するうえで非常に重要である。本講演では,それぞれに対する照射挙動の計測結果,及び今後の展望に関して報告する。 |