THP110 真空 8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10 |
TIG溶接を用いた銅製超高真空ダクトの製作 |
Fabrication of ultra high vacuum duct using TIG welding |
○牛谷 唯人,文珠史郎 秀昭,東 憲男,井上 均,山本 将博,谷本 育律(KEK) |
○Yuito Ushitani, Hideaki Monzyusirou, Norio Higashi, Hitoshi Inoue, Masahiro Yamamoto, Yasunori Tanimoto (KEK) |
KEKにて検討が進められている次期光源加速器計画では全周のダクト内面にNEGコーティングを施す計画となっている。ダクトの外周部は放射光が高いエネルギー密度で照射されることから冷却の点で熱伝導性の優れた材料を使うことが必須条件であり、またコーティングされたNEG膜を活性化するために最低でも250℃程度までの加熱に耐えうる材料であることが求められることから、熱伝導率は無酸素銅と同等で軟化温度300℃以上が実現できる銀入り無酸素銅(AgOFC)を真空ダクト材料として採用する。一方、銅の接合についてはロウ付けや電子ビーム溶接が一般的であるが、現実的な長尺ダクトを製作するにはAgOFC管同士をTIG溶接により接合する技術が不可欠であることからその技術開発を行った。銅のTIG溶接は材質の熱伝導の高さから電流を上げる必要がある。電流の上げ過ぎによる溶融防止のため高低差のある電流を一定間隔で流すパルス溶接を採用、再現性のためにトーチを固定してターンテーブルを回転し、酸化防止のためにパイプ内部は不活性ガスを流して裏波溶接を行った。溶接時、本溶接前に主にアーク確認のための初期電流を流すが、これを母材の加熱に利用する事で良好な裏波ビードを得ることが出来た。溶接後の評価は、断面のSEM観察およびEDX分析、Heリークテスト、ベーキング後の到達圧力、残留ガスおよびアウトガス試験を行う予定であり、溶接条件および真空評価試験の結果について報告する。 |