THP078 ビーム診断・ビーム制御 8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10 |
J-PARC muon g-2/EDM 実験におけるミューオンスピン反転装置の開発 |
Development of muon spin rotator for J-PARC muon g-2/EDM experiment |
○安田 浩昌(東大理),大谷 将士(高エ研),北村 遼(東大理),近藤 泰弘(原研),齊藤 直人(高エ研),須江 祐貴(名大理),中沢 雄河(茨大理),三部 勉(高エ研) |
○Hiromasa Yasuda (Univ. of Tokyo), Masashi Otani (KEK), Ryo Kitamura (Univ. of Tokyo), Yasuhiro Kondo (JAEA), Naohito Saito (KEK), Yuki Sue (Nagoya Univ.), Yuga Nakazawa (Ibaraki Univ.), Tsutomo Mibe (KEK) |
素粒子物理学における大きな問題として、ミューオンの異常磁気モーメント(g-2)の不一致がある。ミューオンg-2の実験値と素粒子標準模型による理論値との間に3.7σの乖離が存在している。これは標準模型を超えた物理を示唆しており、精度を向上した実験にて検証を行う必要がある。我々はブルックヘブン国立研究所での先行実験とは異なる手法による実験をJ-PARCにて行う予定である。J-PARCでの実験では、表面ミューオンビームを冷却し、加速することによって得られる極冷ミューオンビームを利用することで、先行実験での系統誤差を改善することができる。そのため、ミューオンの加速技術が重要な開発要素になる。本実験では低速ミューオンを扱えることから、ミューオンのスピンを180°反転させたデータも取得することで、検出器の時間応答性由来の系統誤差を抑えることが期待される。現在、Siberian-Snake式のソレノイド磁石を利用したミューオンスピン反転装置の開発に取り組んでいる。これは、偏向電磁石と電極付きチェンバーを用いたディフレクターとSiberian-Snake式ソレノイド磁石によって構成される。本講演では、ミューオンスピン反転装置の開発、特に静磁場解析ソフトウェアのOPERAを用いたスピン反転装置の設計状況について報告する。 |