THP075  電磁石と電源  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
バイポーラ型SIC-LTDパルス電源の改良
Improvement of the bipolar type SIC-LTD pulsed power supply
 
○虫邉 陽一,森 均,徳地 明(株式会社パルスパワー技術研究所),高柳 智弘(JAEA/J-PARC)
○Yoichi Mushibe, Hitoshi Mori, Akira Tokuchi (Pulsed Power Japan Laboratory Ltd. (PPJ)), Tomohiro Takayanagi (JAEA/J-PARC)
 
J-PARC RCSキッカーマグネット用に新しいパルス電源を開発している。加速器システムにて大強度ビームを取り出すために、キッカーマグネット用電源システムには高電圧かつ高速のスイッチを使用しているが、新しい電源は高電圧大電流かつスイッチング損失が小さいSiC半導体デバイスを使用することで、連続使用による性能劣化が欠点のサイラトロンスイッチより安定性の良い電源システムを期待できる。SiC-MOSFETを多数並列接続したLTD(Linear Transformer Drivers)回路を構成した基板を多段直列接続することで高電圧かつ大電流の出力を可能とする。電源からキッカーマグネットへの負極性のパルス出力に対して負荷から電源へ正極性の反射波が発生するため、電源の出力端には正負両極性の電圧パルスが印加される。電源の出力回路をSiC-MOSFETの直列接続と反射波吸収回路を設けたバイポーラの回路とすることで、両極性の電圧パルスに対する耐圧と反射波吸収の機能を備えている。主回路のLTD基板よりも低電圧充電で動作する補正基板を追加することで出力波形の調整も可能になる。2017年に主回路LTD基板5枚と補正LTD基板4枚で電源を構成して試験を実施しているが、今回は出力電圧・電流の向上を目指して改良基板を製作した。本発表では改良の詳細と結果を報告する。