THP062 高周波源 8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10 |
Sバンド7.5MWパルスクライストロンの高効率化 |
The efficiency enhancement of S-band 7.5MW pulsed klystron |
○鈴木 健一郎,田中 敏文,藤井 令史,大久保 良久(東芝電子管デバイス株式会社) |
○Kenichiro Suzuki, Toshifumi Tanaka, Satoshi Fujii, Yoshihisa Okubo (Toshiba Electron Tubes & Devices Co., Ltd.) |
東芝電子管デバイス(株)では、クライストロンの効率向上を目指して各種の研究開発を実施している。クライストロンの効率を向上させる手法としてCOM、BAC、Kladistron等の手法が知られており、いずれにおいても出力空胴で加速される電子を減らすことが肝要である。これらの手法の要素を取り入れた設計を検討し、当社既存製品の相互作用部を置き換えることで効率向上の評価が可能であることが判明した。既存製品として選定したクライストロンはRF周波数2856MHz、ピーク出力電力7.5MWのパルスクライストロンで、パービアンスは1.8uPと高い部類であるが高効率設計は有効であった。空胴数は10個でそのうち2個を相互作用部長短縮のため第2高調波空胴とした。シミュレーションにはFCIコードを使用し、ビーム電圧130kVで効率59%となる結果を得た。実際に試作機を作成して評価した結果、ビーム電圧131kV、出力6.2MW時に効率57%であり、既存製品よりも効率が10%以上向上した。相互作用部を置き換えたのみであるため、既存の高圧電源や集束コイルを使用することができた。本発表では設計結果と試作クライストロンの試験結果の詳細および今後の高効率クライストロンの開発予定について報告する。 |