THP040  粒子源  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
イリジウム・セリウム光陰極材料の高性能化に向けた研究開発
Improvement of photoemission properties of iridium cerium
 
○佐藤 大輔,澁谷 達則,小川 博嗣,田中 真人,黒田 隆之助,豊川 弘之(産総研),吉田 光宏(高エ研)
○Daisuke Satoh, Tatsunori Shibuya, Hiroshi Ogawa, Masahito Tanaka, Ryunosuke Kuroda, Hiroyuki Toyokawa (AIST), Mitsuhiro Yoshida (KEK)
 
 光陰極材料は、生成する電子ビームのパラメータや電子銃の種類によって、利用される物質が限られている。例えば、銅やマグネシウムといった商用の金属系光陰極材料は、半導体系光陰極材料と比較すると量子効率は低いが、比較的低真空環境下においても表面汚染に対して高い耐久性を持つため、長期連続運転が必須の大型電子加速器施設などでは積極的に利用されている。また、光応答速度がフェムト秒オーダーと速いため、超短パルスの電子ビーム生成が可能であり、新たな電子ビームの利用研究への期待が持たれる。  我々のグループでは、高エネルギー物理学実験用加速器や産業用加速器での運用を目指し、純金属よりも高量子効率かつ長寿命のイリジウム・セリウム光陰極に関する研究開発を行っている。本発表では、イリジウム・セリウム光陰極の基礎的な光電子放出特性の評価結果や高量子効率化・表面組成の均一化に向けた材料開発の現状について報告する。