THP037  粒子源  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
小型ECRイオン源におけるマイクロ波2重加熱試験
Experiment of two frequency heating at Kei3 source
 
○村松 正幸(量研機構 放医研),濱田 滉太,加藤 裕史(大阪大学),北川 敦志(量研機構 放医研)
○Masayuki Muramatsu (QST-NIRS), Kouta Hamada, Yushi Kato (Osaka Univ.), Atsushi Kitagawa (QST-NIRS)
 
現在、世界的に粒子線治療施設の建設が予定されている。それらの計画の中では炭素以外のイオンを加速し、研究などに用いることが計画されている。これらの要求を達成するために、様々なイオンの供給を行えるECRイオン源(Kei3)の開発を行なっている。Kei3は、既存の炭素線がん治療装置用の小型ECRイオン源と同様の閉じ込め磁場を採用しているため、C4+に近いイオンを生成することが可能となる。Kei3ではこれまでに、バイアスディスク法、ガスミキシング法などを用いて、多種イオンの生成試験を行ってきた。 Kei3のマイクロ波源には、周波数帯域が8 – 10 GHz、最大出力が350 Wのxicom社製の進行波管アンプ(TWTA)が使用されている。マイクロ波は、WR-90の矩形導波管により、イオン源内に軸方向から導入される。今回はTWTAをもう1台追加し、マイクロ波2重加熱試験を行った。追加したTWTAの周波数帯域は10 – 18 GHzで、最大出力は250 Wである。こちらはWR-75の矩形導波管を用いており、WR-90と同様に軸方向から導入される。  ビーム試験の結果、TWTAが1台の時のAr7+の電流値は16.5 uAとなり、2重加熱とすると23.5 uAとなった。この時のマイクロ波の周波数は、10.33 GHz(既存TWTA)と14.4 GHz(追加TWTA)である。