THP035 ビームダイナミクス・加速器理論 8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10 |
サイクロトロンのハーモニック加速システムの位相バンチングの評価 |
Evaluation of phase bunching for a harmonic acceleration system in a cyclotron |
○宮脇 信正(量研 高崎),福田 光宏(阪大RCNP),倉島 俊,柏木 啓次(量研 高崎) |
○Nobumasa Miyawaki (QST Takasaki), Mitsuhiro Fukuda (RCNP, Osaka Univ.), Satoshi Kurashima, Hirotsugu Kashiwagi (QST Takasaki) |
位相バンチングは、サイクロトロンの第1加速ギャップにおける加速電圧波形の勾配を用いたエネルギー利得差による縦方向の加減速効果によって、ビームの時間幅を圧縮し、高強度ビームの入射による縦方向のビームの発散を抑制するための有効性に期待されている。しかしながら、磁極方向に自由な空間が無い従来の鉄心を用いるサイクロトロンでは、電極の幾何条件と加速粒子やその回転周期と加速RFの周期の比である加速ハーモニックス、加速電圧等の加速条件で決定される位相バンチングの発生条件が限定される。そこで、鉄ヨークを使用せず、高温超電導コイルの組み合わせだけで必要な磁場分布を作り出すことで比較的高い空間自由度を有する小型サイクロトロンを想定し、高調波励振用の加速電極を独立して配置し、ハーモニック加速電圧を生成することによって、継続した位相バンチング効果が得られるハーモニック加速システムを検討している。これにより、様々な条件の中心領域の電極形状に対して電圧波形の調整によって位相バンチング効果を得ることができる。また、高強度ビームの縦方向の空間電荷効果の発散力に応じた抗力は、基本波に対する高調波の相対位相と振幅により調整可能である。本発表では、小型サイクロトロンのいくつかの条件に対して、位相バンチングが得られる電極配置とハーモニック加速の最適な条件について報告する。 |