THP014  ハドロン加速器  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
J-PARC MRにおけるビーム強度増強についての検討
Study on the beam intensity upgrade of J-PARC MR
 
○五十嵐 進,大見 和史,佐藤 洋一(高エネルギー研)
○Susumu Igarashi, Kazuhito Ohmi, Yoichi Sato (KEK)
 
大強度陽子加速器施設(J-PARC)の主リング(MR)のビーム強度増強について、シミュレーションによる検討を行った。MRはニュートリノ実験のために現在 485 kWのビームパワーで30 GeVの陽子を供給している。繰り返し周期は 2.48 s で、取り出し時の陽子数は 2.5E14 protons per pulse (ppp) としている。将来、ビームパワーを 1.3 MW とすることを検討しており、繰り返し周期は 1.16 s とし、取り出し時の陽子数は 3.3E14 ppp として、目標を達成することを考えている。繰り返しを速くするために、電磁石電源、高周波加速空洞などの検討が行われている。それに加えて、加速陽子数を 30 % ほど増やす必要がある。大強度陽子加速器ではビームロスよる機器の放射化が大きな問題で、ビームロスの低減がビーム強度増強において重要となっている。空間電荷効果を考慮した粒子トラッキングプログラムSCTRを用いて大強度陽子加速についてのシミュレーションを行った。現在のビーム強度でのビームロスについてシミュレーションで再現性を確認し、将来のビーム強度でのビームロスの予想を行った。ビームロスの原因としてベータトロン振動における構造共鳴の影響を考慮して、ビームロスの低減について検討した。