THOM04  加速器制御/電子加速器1  8月9日 特別会議室2 9:40 - 10:00
SuperKEKBの陽電子ダンピングリングの入出射路コミッショニング
Commissioning of the injection and extraction beam lines of positron damping ring for SuperKEKB
 
○飯田 直子,池田 仁美,石橋 拓弥,植木 竜一,大西 幸喜,梶 裕志,紙谷 琢哉,菊池 光男,小磯 晴代,小林 鉄也,杉村 仁志,杉本 寛,清宮 裕史,船越 義裕,宮原 房史,森 隆志,矢野 喜治,周 徳民(高エネ研)
○Naoko Iida, Hitomi Ikeda, Takuya Ishibashi, Ryuichi Ueki, Yukiyoshi Ohnishi, Hiroshi Kaji, Takuya Kamitani, Mitsuo Kikuchi, Haruyo Koiso, Tetsuya Kobayashi, Hitoshi Sugimura, Hiroshi Sugimoto, Yuji Seimiya, Yoshihiro Funakoshi, Fusashi Miyahara, Takashi Mori, Yoshiharu Yano, Zhou Demin (KEK)
 
SuperKEKBのための陽電子ダンピングリング(DR)は2018年2月から運転開始した。このダンピングリングはKEKの電子陽電子線形加速器(LINAC)の陽電子ターゲット下流に設置され、陽電子ビームのエネルギーは1.1GeVである。この論文はLINACからDRへの入射路(LTR)及び出射路(RTL)のビームコミッショニングに関するものである。陽電子生成はSuperKEKBのために増強されたフラックスコンセントレーター(FC)で大電流の陽電子(最大4nC)を収集するため、陽電子ビームの横方向エミッタンスのみならず進行方向のエミッタンスも大きい。ダンピングリングのバケットハイト±1.5%以内に入射ビームのエネルギー幅を収めないといけないため、入射路上流部のコリメータでエネルギー幅を±5%にカットしエネルギー圧縮システム(ECS)で±1.5%に縮める。出射路では逆にLINACでのエネルギー幅を小さくするためにバンチ長圧縮システム(BCS)でバンチ長を6mmの約1/10に縮める。実際のコミッショニングでは、FCで発生した巨大なビームをコリメータ以外でロスすることなしにDRに入射するために、入射ビームの中心部での軌道で調整する必要がある。そのために調整時用にコリメータでコア部分のみにカットしたビームでECSの調整を行った。出射路のBCS調整後LINACに戻し4GeVまで加速後、LINAC終端に設置の別のECSでエネルギー圧縮後、ビーム輸送路でSuperKEKBのメインリングに通すまでのコミッショニングについて述べる。