THOM03  加速器制御/電子加速器1  8月9日 特別会議室2 9:20 - 9:40
SuperKEKB phase-2運転における入射制御
Injection Control System for the SuperKEKB phase-2 operation
 
○梶 裕志,杉村 仁志(高エネルギー加速器研究機構),飯塚 祐一(東日本技術研究所),工藤 拓弥(三菱電機システムサービス)
○Hiroshi Kaji, Hitoshi Sugimura (KEK), Yuichi Iitsuka (East Japan Instititue of Technology), Takuya Kudou (Mitsubishi Electric System & Service)
 
電子陽電子衝突型加速器SuperKEKBは2018年3月よりphase-2運転を行っている。今期の運転よりメインリング(MR)への陽電子入射は「陽電子を生成し1.1GeVまで加速後にダンピングリング(DR)へ入射」「DRに蓄積しエミッタンスを向上」「DRから出射し4GeVまで加速後にMRへ入射」という複雑なプロセスとなった。このうちDR蓄積の時間は最短でも40msであり、入射器50Hz運転の運転間隔20msより大きくなる。そのため陽電子パルスの入射運転は入射器の2つの運転パルスにまたがる複雑なプロセスとなった。この入射プロセスを実現するため新しいタイミング制御システムが開発された。新システムは入射器運転を異なるパルス間で連動することができる。2016年のphase-1運転よりMRへの入射運転に用いられ、その動作安定性が証明されている。その後、2017年には、DR運転のための動作パラメータが最終決定され、その実装と動作試験が行われた。またMRの入射RFバケットを決定するバケットセレクションも、陽電子入射の際は「DR運転バケット」「MR入射バケット」の両方を決定するソフトウェアが開発された。本講演では、SuperKEKB入射タイミング制御システムのうち、これらのphase-1以後に開発された要素について説明し、phase-2での運転状況について報告する。