FSP013  施設現状報告ポスター  8月8日、9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
京都大学複合原子力科学研究所電子線型加速器施設の現状
Status of KURNS-LINAC
 
○阿部 尚也,高橋 俊晴,窪田 卓見,堀 順一,高見 清(京都大学複合原子力科学研究所)
○Naoya Abe, Toshiharu Takahashi, Takumi Kubota, Jun-ichi Hori, Kiyoshi Takami (KURNS)
 
京都大学複合原子力科学研究所(2018年4月に原子炉実験所から改称)電子線型加速器施設(KURNS-LINAC)の2017年度の利用運転時間は2784.1時間であり、2016年度を約150時間上回って過去最高の運転時間を更新した。核データ関連のプロジェクトによる連続運転増加が主な理由である。 前回の報告からの主なトラブルは、クライストロン本体冷却水配管からの漏水と、RFドライバーの異常である。クライストロンの漏水に関しては、漏水検知器が発報したことで発覚したが、この漏水検知器は2004年に別のクライストロンで同配管からの漏水が発生しており、その対策としてクライストロン本体に取り付けたものであった。2004年の漏水時は検知器が無かったため発見が遅く、クライストロンオイルタンク内に漏水が浸入するなどの大きな影響があり、復旧に時間がかかったが、今回は早期発見となったため、中古のクライストロンと交換のみで対応できた。漏水を起こしたクライストロンは漏水止めの修理を実施する予定である。RFドライバーの異常に関しては、出力電力表示に使用するピークホールドモジュール回路の不良による出力電力表示異常、電源投入時に発生するノイズによるものと思われる反射波による主アンプの動作停止、FETのドレインブランキング用の電解コンデンサ容量抜けによる主アンプの出力電力増加に伴う出力波形の乱れであり、それぞれ三回にわたって製作業者による修理を実施して対応した。